介護業界の明るい未来を作るカギ

近年では、高齢化の影響で介護業界がますます注目を浴び、介護施設も次々に増設されています。そんな中、介護業界の拡大を阻む壁として立ちはだかっているのが、介護士の人手不足問題です。団塊の世代が後期高齢者になる時期までに根本的な解決策を見つける必要があると言われています。

人手不足の主な原因として、過酷な労働状況にありながら、介護職員の給与が少ない点が挙げられます。仕事内容に見合わない報酬に納得がいかず、離職をする人が後を絶えないのです。そこで国は、介護士の給与待遇を見直す処遇改善という対策を打ち出しています。

それだけでなく、介護福祉士の資格を持つようなベテラン介護士に対し、大幅に給与を上げるようなシステムも早急に確立しなければなりません。介護業界をリードするリーダー的存在を増やすことができれば、介護の質が上がるのはもちろん、現場ごとの教育体制も整い、多くの人がより良い環境の中で働けるようになります。

また、介護現場の業務は肉体的負担が大きいため、介護士をサポートする介護ロボットやAIの導入を急ぐことが不可欠です。国が総力を挙げてあらゆる策を講じて、介護業界の人材を集めることは大事ですが、その対応で一気に人材を増員できる可能性は低いです。ましてや若い世代は少子化傾向が続いているため、必然的に集まる人は減っていくでしょう。そこで救世主となるのが、介護ロボットやAIなのです。

介護ロボットを介護現場に導入すれば、移乗や入浴といった身体介護が楽になり、少数の介護士でも仕事を回すことができるようになるでしょう。その他、AIを活用した見守りシステムを採用すれば、居室に設置したセンサーなどで高齢者の動きやバイタルサインを常時管理することが可能になります。スタッフが頻繁に見回らなくてもよくなるため、その分必要な人材を減らすことができます。こうしたハイテク技術の導入は、今後の介護業界の発展にプラスな影響を与えるでしょう。